パソコンで使える入力機器の中でもちょっと変わり種の「トラックボールマウス」ですが、便利そうに見えるのにあまり普及していないのはなぜなのでしょうか。
この記事では、使いにくいと言われる理由と実際に使っているわたしの感想をまとめてみました。
トラックボールマウスが使いにくい理由

慣れが必要
トラックボールマウスを使いはじめて最初にぶつかるのが「慣れの問題」です。
いままで手首や腕全体を使ってカーソルを動かしていたのに、トラックボールマウスでは親指1本でカーソルを動かすことになります。
とくに細かい動きを親指で操作するのは、最初はなかなかむずかしいものです。
この動きの違いに慣れるまでに時間がかかるので、使うのをためらう人が多いのです。
細かい操作がむずかしい
ボールのすべりが良すぎて、少しの力でカーソルが大きく動いてしまうことがあります。
そのため、ミリ単位の細かい操作をするのには向いていません。
カーソルを動かすボールの転がりがよすぎるので、ミリ単位でカーソルを動かすことが難しくなります。
たとえば図形を描いたり、イラストを描いたりする作業では、普通のマウスかペンタブレットの方が正確に操作できます。
価格が高め

トラックボールマウスは、普通のマウスにくらべて値段が高めです。
理由は以下のとおりです。
- 作りが複雑で部品が多く、製造コストがかかる
- 需要が少なく、大量生産がむずかしい
- 人間工学にそった形やデザインにこだわった製品が多い
最近では手ごろな価格のものも出てきましたが、しっくりくる形や多機能を求めるとどうしても高くなります。
それでも「一度使ったら手放せない」と言う人も多いのが事実です。
お手入れが必要
トラックボールに指がずっと触れているので、指の汚れがつきやすくなります。
そのままだとボールの回転が悪くなり、カーソルがスムーズに動かせなくなります。
そのため、定期的なボールの清掃が必要になります。
使う回数にもよりますが、私は週に一度本体からボールを外して清掃しています。
持ち運びに向かない
トラックボールマウスは、手になじむように形が大きくカーブしています。
さらにトラックボールが回転するスペースもいるので、どうしても本体のサイズが大きくなります。
そのためノートパソコンといっしょに持ち運ぶと、カバンがパンパンになってしまいます。
移動が少ない家やオフィスなど、決まった場所で使うのに向いています。
ゲームには不向き
ゲームは激しい動きと正確な操作が必要になります。
トラックボールは指でうごかすため、どうしてもスピードや反応が遅くなりがちです。
またゲーム用マウスにくらべてボタンの数も少なく、操作しづらいと感じる人もいます。
とくに肩や腕をつかって直感的に動かしたい人には、あまりおすすめできません。
左利き用が少ない
そもそもマウスは右利き用が多く、トラックボールマウスもその例にもれません。
ただでさえ種類が少ないトラックボールマウスの中で、左利き用となると、さらに選べるモデルがかぎられてしまいます。
そんな中でも「エレコム M-XT4DRBK」など、左利きの人でも使えるモデルはあります。

https://www.elecom.co.jp/products/M-XT4DRBK.html
実際使っている私の感想
私はロジクールの「M575」というモデルを使いはじめて、約3年になります。
もともとふつうのマウスを使っていたときは、手の形にちょっと違和感がありました。長時間マウスを使っていると、手のひらを下に向けた状態がつらくなってきたんです。
最初はちょっと使いづらかったのですが、慣れてくるともう手放せない存在になりました。



トラックボールマウスは角度がついていて、手の向きが自然になります。さらに専用の台座を使って角度を調整したことで、より楽になりました。
また本体を動かす必要がないので省スペースですし、腕を動かさないので肩こりも無くなりました。
まとめ
トラックボールマウスが普及しない理由はたくさんありますが、じつはとても便利な道具でもあります。
最初は慣れが必要ですが、一度使ってみるとその良さがわかってきます。
最近は手ごろな価格のモデルも出てきているので、ぜひ一度ためしてみてはいかがでしょうか。